



ドクターケイ小河
友利先生、改めて「トラネキサム酸」はどんな成分なのか、詳しく教えてください!
友利先生
トラネキサム酸は元々、医療の現場で“出血を抑えるため”に使われてきた成分です。
その過程で、肌の炎症を落ち着かせる作用や、シミを作る原因をブロックする働きがあることが分かり、今では美容の領域でも非常によく使われていて、「抗炎症」「美白」作用が認められている美容成分でもあります。
一言でいうと、
「炎症を鎮めて、肌の色ムラを整えるのが得意な成分」ですね!

肌は日々、紫外線・摩擦・乾燥などのストレスを受けています。
すると、肌の内部で“炎症スイッチ”が入ってしまい、赤みが出たり、シミができやすくなったりします。
トラネキサム酸はこの炎症スイッチを落ち着かせる役割を持っており、その結果として
・赤みが気になりにくくなる
・シミ予防につながる
・肌トーンが均一に見える
といった効果につながります。
「赤みが落ち着いた」という声を見かけますが、これはどういう仕組みなんでしょうか?
肌の赤みの原因は様々ですが、1つとして“慢性炎症”によるものが挙げられます。
私たちの体の中では、常に目に見えない“炎症”が起きています。
代謝の過程で、蛋白質の酸化・糖化やDNAの変性が生じると、それらを除去するために免疫細胞が活性化し、サイトカインという炎症物質や蛋白分解酵素を放出します。
しかし、この防御反応の過程で周囲の正常組織までが巻き添え損傷を受けることがあります。この慢性的な微小炎症が積み重なることで、組織の劣化や老化を促進します。

トラネキサム酸には、炎症を引き起こす“プラスミン”という物質の働きを抑える作用があります。プラスミンは肌の炎症に深く関わっているため、これを抑えることで赤みが落ち着きやすくなるのです。
青山ヒフ科クリニックのコラムにもありますが、
「赤みの背景には慢性炎症があり、それを抑えることで肌全体が均一に見える」
という考え方ですね。
参考文献:青山ヒフ科クリニック ビューティ・コラム「第116回 トラネキサム酸が毛穴を閉じ、赤味を低下させアンチエイジングを実現する機序と効果」
赤みに良いだけじゃなく、シミにも関係するんですよね?
はい。シミの原因となるメラニンは、紫外線などの刺激によってメラノサイトという細胞が“過剰に働く”ことで作られます。 トラネキサム酸は、この“過剰な指令”を抑える役割を持っており、シミの原因を早い段階でブロックしてくれます。

特に、女性の悩みとして多い「肝斑(かんぱん)」の治療にも昔から使われており、医学的な歴史も長い成分です。
トラネキサム酸はもともと医療で使われてきた成分のため、比較的扱いやすく、刺激が出にくいとされています。
もちろん個人差はありますが、
「美白ケアをしたいけれど刺激が心配」
「赤みも気になるし、シミも予防したい」
という方にはとても相性の良い成分ですね!
他の成分と一緒に使うと、より良いという話も聞いたことがあります!
ドクターケイでは、ビタミンCとカモミラエキスとの相乗効果について注目していますが、いかがでしょうか?
そうですね!それでは、トラネキサム酸と、ビタミンCやカモミラエキスの相乗効果について、詳しく解説しましょう。
トラネキサム酸 × ビタミンC
ビタミンCは、メラニンを“還元”して透明感を引き出す方向の成分。
一方でトラネキサム酸は、メラニンを“作らせないようにする”働きが強い。
このように働き方が違うため、組み合わせると補完的になります。
トラネキサム酸 × カモミラエキス
カモミラエキスには抗炎症作用があり、肌荒れを穏やかにする成分です。
炎症ケアの方向性が近いため、トラネキサム酸と一緒に使うことで赤みやゆらぎにアプローチしやすくなると考えられます。
トラネキサム酸って、様々な肌悩みにアプローチする万能成分ですね!
トラネキサム酸は
・赤み
・シミ
・肌の色ムラ
・くすみ
など、“肌トーン”を乱す要因に幅広く関わります。
炎症を抑えながら、肌の透明感を引き出してくれるので、年代を問わず使いやすい成分です。
「肌の炎症を落ち着かせたい」「透明感がほしい」という方の味方であると言えるでしょう!


友利 新先生
沖縄県宮古島出身。東京女子医科大学卒業。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。
現在、現在都内2ヵ所のクリニックに勤務の傍ら、医師という立場から美容と健康を医療として追求し、美しく生きる為の情報を発信。美と健康に関する著書も多数。
YouTubeチャンネル『友利新/医師「内科・皮膚科」』は登録者数160万人以上。(2026年2月時点)