ドクターケイ小河
友利先生、早速ですが、改めて「レチノール」とはどんな成分なのか教えてください。
友利先生
「レチノール」には様々な効果が期待できますが、最も特徴的なのは肌のターンオーバーを促す効果です。
私たちは年齢を重ねるほど、ターンオーバーの周期が遅くなったり、細胞間脂質やヒアルロン酸を作れなくなったり、表皮の厚さが薄くなってくるので、肌のハリが低下しシワになりやすいです。
ターンオーバーの周期を正常に戻すと、角質細胞が生まれる時にヒアルロン酸などを生成し、また表皮の厚みも厚くなって水分量もアップし、パンッとハリのあるお肌になります。
また、ターンオーバーが正常になることで、メラニンの排出も促進しますので、シミやくすみでお悩みの方にも「レチノール」はおすすめの成分です。
複合的な大人の肌悩みこそ、「レチノール」が効果的ということですね。
そうですね。
また勘違いしやすいのですが、「レチノール」と言われているものは、ビタミンAやビタミンA誘導体の総称を指していて、「レチノール」と一口に言ってもいくつか種類があります。
その種類によって効果や刺激が違ってきます。
刺激が少なく効果が穏やかで、よく“守りのレチノール”と言われる「パルミチン酸レチノール」は、レチノールの誘導体です。
このレチノール誘導体は、お肌の中に入るとレチノールに変わります。
そしてこのレチノールが、レチナールになって、最後はレチノイン酸というものになって受容体にくっつき肌に作用するという、少し段階を踏んでいく過程があります。
この図だけを見ると、「レチノイン酸をそのまま肌に塗布すればいいのでは?」と思われがちですが、そのままレチノイン酸を肌に塗布すると、刺激が強く、赤みや皮むけを引き起こすA反応(レチノイド反応)が出やすくなってしまいますので、注意が必要です。
自分の肌質や肌悩みに合わせてレチノールの種類を選ぶことが大切なんですね。
また、レチノールのA反応について、友利先生の見解を教えてください。
A反応、またはレチノイド反応ともいわれますが、皮むけしたり、赤くなってしまう症状のことを指します。
このA反応は徐々に慣らしていくと無くなるとも言われていますが、炎症には変わりないので、あまりにも長期間A反応が出ているのは肌の負担が大きくなります。
ですので、A反応を出さずに長期間使用していくということがとても大切です。
たまに「レチノールを使っても赤みが出ない(A反応が出ない)ですが効いていますか?」という声をいただきますが、心配せず使い続けてよいということですよね?
そうですね。
A反応が出てなかったとしても、ちゃんと自分にあったレチノールを使っていれば大丈夫です。
また、「レチノールは朝使わない方がいい」ということを言われたりしますが、こちらについても友利先生の見解をお伺いしたいです。
パルミチン酸レチノールは朝使っても問題ありません。 実は、肌に存在するレチノールは、パルミチン酸レチノールの形でいると言われています。
今でこそ日焼け止めや日傘などで紫外線から肌を守れますが、昔はそうはいきません。
実はパルミチン酸レチノールにはSPF20ほどの紫外線防御力があり、肌にパルミチン酸レチノールを貯蔵しておくことによって紫外線からのダメージを防いでいると言われています。
そのため、パルミチン酸レチノールに関しては、朝も夜も塗布して問題ないです。
その他のレチノールに関しては、できれば夜のみの使用で、朝使用したい場合はしっかり日焼け止めを塗りましょう。
ドクターケイの製品に関しては、どの製品もパルミチン酸レチノールが配合されていますので、朝も夜も安心して使用できますね。
ありがとうございます。最後に、ドクターケイを使う皆さんへ一言お願いします!
特に“守りのレチノール”と言われているパルミチン酸レチノールは、継続的に使い続けることで肌のハリやツヤなどが期待できますので、レチノールに限らずですが、「継続的に使い続ける」ということがとても大切だと思います!
友利 新先生
沖縄県宮古島出身。東京女子医科大学卒業。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。
現在、現在都内2ヵ所のクリニックに勤務の傍ら、医師という立場から美容と健康を医療として追求し、美しく生きる為の情報を発信。美と健康に関する著書も多数。
YouTubeチャンネル『友利新/医師「内科・皮膚科」』は登録者数80万人以上。